小さな幸せ探し。


by ami-gerbera
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繊細な魂  ―ヘレン・シャルフベック

はじめて、女性画家の展示に行ってきました。

ヘレン・シャルフベック ―魂のまなざし 
@東京藝術大学大学美術館



東京藝術大学が、こんなにも素晴らしい環境にあったなんて知らなかった。
ここから、数多くの芸術家が学んだんだね。


館内はそれ程人も多くなくて、落ち着いてゆっくり巡ることができました。






入ってすぐ、2枚目の絵からさっそく心を奪われた。
『雪の中の負傷兵』
なんて繊細な絵なんだろう。
この絵によって奨学金を得た彼女はパリへ向うのだけど、
きっとこのころは希望に満ちていたのだろうな。


『妹に食事を与える少年』は
貧しい生活の中で、妹を思う兄の優しい気持ちが全体を包んでいるような一枚。
あどけない妹の表情がとにかくかわいい。


女性画家だからなのか、彼女の心が繊細だったからなのか。
とにかく、優しくて柔らかくて、繊細な絵が沢山。

身体が弱く、母親と閉じこもった生活をするなかでも、
芸術界に影響を与える絵を描いたヘレン。

愛する男性の結婚によって身体を壊して、
その激しい思いをぶつけた絵も、
回復する中で希望を載せた絵も、
彼女の気持ちを想像すると、怖いけれどとても切ない。

私は身体も心も丈夫だけど、
やっぱり女だから、気持ちは分かる。

とてもよく、分かる。


母親を描いた絵は、その手の描写がとても印象的だった。
ゴツゴツとしていて、とても細い手。
それを見た瞬間に、「沢山働いた人の手だ」と思った。
彼女の母親が実際に働き者だったかどうかは分からないけれど、
いつもそばに居てくれた母への敬意がこもっているんじゃないのかな。


いろいろな画法を試しながらも、
確実に衰え、死にむかっていく自分を描いた数多くの自画像。

なんだかもう、彼女がどんな思いでそれらを描いたのかなんて、
辛すぎるから想像するのはやめた。


最後にもう一度、初期の作品を見返してみて、
後期の作品との違いに軽くショックを覚えた。

この頃は華々しい将来を信じていたのだろうと思うと、
またさらに切なさが胸に迫ってくる。


彼女の一生の中にも、
心から幸福に満たされた瞬間があったならいいな・・・と願わずには居られない。
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by ami-gerbera | 2015-07-04 15:18 | 美術館巡り。